企業における役職の捉え方とは

専務のとしです。
今回、役職についてのコラム依頼がありましたので、私見ですが意見を述べたいと思います。
まず、企業で役職の肩書がご自身より上の人を見ると、「偉い人」という気持ちが先行しませんか。
でも、本当にそうなのでしょうか。
役職とは、組織内外において「何をする役割か」を示しています。
社内の組織に目を向けると、経営者や役員は、企業の経営や方向性を決め、部長や課長をはじめ肩書がある者は任されたチームを統率しつつ部下の管理もする。
帝王学では、組織の長が部下全員に何かを伝えることを10割とすると、全員集めて伝えるのは2割。
後の8割は、一対一での信頼関係を築きながら、伝えたいことが伝わっているのか確認することが大事といわれています。
人の心はヒダのようなもの。正論が正論として相手に伝わるかどうかは別の話であることも認識したいですね。
そして、それぞれが果たすべき役割と責任があるからこそ、組織と役職があるということです。
当然役職が上がればそれだけ責任は重くなりますし、より部下お一人お一人に寄り添っていかなければなりません。
経営者や役員となれば、従業員やそのご家族の生活まで保障する責任があります。
そういう意味で、役職が高いから偉いわけではありません。
誰もが自分に与えられた役職に責任をもって果たすことで企業は運営されていくということです。
また、役職が上がることで本人は気にしていなくても、その肩書により「偉い人」と思われ、部下からは話しかけづらい状態になるかもしれません。
ただし、対外的に見れば役職の肩書は、相手から見て「偉い人」と思わせることは必要かもしれませんが。
私たちは役職が上がると同時に、より一層人格を磨き部下から何でも話せる、またユーモアを忘れず気さくに話を聞ける自分になることを目指すことが大事なことでしょう。
役職者は自分の方から部下に対して積極的に話しかけ、また部下の言葉に耳を傾けることを心がけたいものです。
これは企業という組織においては当然のことなので、今更述べることではないと思いますが、私たちは役職以前に同じ仲間として「異体同心」、いわゆる異なる考え方を持つ人々が集まり、同じ目的に向かって前に進んでいく。
その心で、お互いを通しながら皆が成長していける組織を目指し、私たちの会社を発展させて行きたいと思っています。
また部下の立場となる皆さんに一言。
上長は部下の面倒を見るのは当然。だが上長も人間です。
だから、部下自身も、上長から「面倒を見てあげたい!」と思われている自分であるかどうかを意識していくことは大事な事ではないでしょうか。