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言葉の不思議

専務のとしです。
言葉の不思議について話をさせて頂きます。
言葉というものは実に不思議だと思います。
普段使っているありふれた言葉でも組み合わせ方、発言する時と場合によって、
すごい力を発揮したり、相手を深く傷つけたりします。
なぜそういうことが生じるのだろうか。

詩人の大岡信さんは言う。

「つまり、われわれが使っている言葉は氷山の一角だということである。氷山の海面下に沈んでいる部分は何か。それは、その言葉を発した人の心」にほかならない

『詩・ことば・人間』講談社

海面下の氷山のように見えない心次第で、表に出る言葉の力はいかようにも変わるのだろう。

私が若いころ、上手に話せず悩んでいた方を、ある先輩が励ましていた。
「昔の肉屋さんや魚屋さんを思い浮かべてごらん。
おいしいコロッケや魚は古新聞で素っ気なく包んであってもおいしかった。
対話も一緒。包装紙で箔をつけるようなもったいぶった話をする必要なんかない。素朴でいいんだよ」と。

そばで聞いていて、こちらも得心した。
確かにどんな立派な内容でも、見栄や気取りがあれば人の胸には響かないだろう。
話がうまくなくてもいいではないか。大切なのは「言葉の海面下」にある心だから。
私たちも自身の熱い想いを、精一杯言葉に込めて語れる自分でありたい。

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